ピルは2つの女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)が含まれる内服薬で、避妊効果もありますが、生理に伴う症状を改善することができます。
正しく使用することにより自分で生理をコントロールすることができます。
ホルモンの分泌を抑えることにより排卵を抑制し、子宮内膜・頸管粘液に作用することで妊娠しづらくなります。
生理痛、PMS/PMDDの改善、生理の血液量を減らす、生理不順を整えるなどの効果があります。
ホルモンバランスによる肌荒れ・にきび・多毛の改善、卵巣がんなどのリスクを減らします。
初期のマイナートラブル:頭痛や吐き気、不正出血、胸が張るなど(最初の1-2か月)
注意するべき副作用:血栓症 (血管に血のかたまりがつまる病気です)
症状:手足のむくみ・痛み・赤く腫れている、胸痛、激しい頭痛・腹痛、しゃべりにくい、
見えにくいなど。
以下の人は血栓症のリスクが高いためピルは慎重に使用する必要がある、もしくは禁忌といわれています。
・40歳以上
・肥満の方(BMI30以上)
・高血圧、糖尿病
・妊娠中、産後4週間以内、授乳中
・心臓の病気がある方、肝機能障害
・偏頭痛持ちの方
・乳癌の方(既往も含めて)
・血栓症の既往のある方
・抗リン脂質抗体症候群の診断を受けた方
など
ご自身がピルの内服が可能かどうかは医師に相談しましょう。
当院では、なるべく副作用を抑えた低用量ピルの取り扱いがあります。
避妊を目的とした自費のピル、生理に伴う症状の改善を目的とした保険診療のピルがあります。
◆低用量ピル
マーベロン28
トリキュラー21
トリキュラー28
◆保険診療のピル
ヤーズ配合錠(ジェネリック:ドロエチ配合錠)
ルナベルLD(ジェネリック:フリウェルLD)
ルナベルULD(ジェネリック:フリウェルULD)
ヤーズフレックス
ジェミーナ
避妊に失敗した、無理に性交渉させられたなどに対し、緊急避妊法としてモーニングアフターピルを内服することをお勧めします。
当院ではレボノルゲストレル錠を取り扱っています。性交渉から72時間以内に内服する必要がありますので早めの受診をお願いします。
あくまでも緊急時の対応ですので、妊娠を望まない場合にはコンドームの使用、ピルや子宮内避妊具の使用をお勧めします。
生理の移動をご希望される場合には、ピルによって生理を調節することができます。
予定生理の5日前から避けたい日まで内服します。内服中止後、個人差はありますが2-5日程度で生理がおこります。
生理の3-5日目から薬を飲み始め、少なくとも10日間以上内服し、生理を起こさせたい日の2-3日前まで継続してください。
早める方法はやや確実性が乏しいので、できれば遅らせる方法をお勧めします。
最近の生理の開始日、生理周期、生理の持続日数、生理を避けたい期間などを伺い、それを参考に処方致します。
普段から生理不順がある方は、低用量ピルで生理を整えておく方法もおすすめです。